2022年06月08日

令和4年6月のおたより

 五月晴れとは5月のさわやかな晴天のことを指すのが、今では一般的なようですが、実は旧暦の皐(さつき)は6月を指すそうで、どんよりした梅雨の合間にみられる晴天を表すそうです。


 二四節気、七二候と細かく四季を表し日常の生活に役立ててきた我が国ならではの生活表現の豊かさには、なるほどと感心する一方で、だんだん先人の知恵や常識といわれてきたことが私たちの生活の中で変化し薄れているのかもしれません。


 特に農業や水産など第一次産業には影響が大きい天候ですが、園生活においても、日頃から天気には、とても気を配り過ごしています。

子ども達にとって、お天気は心にも体にもとても影響するからです。


 6月からしばらくは熱中症に対しての気配りが重要になるだけでなく,雨降りが続く中で、外に出られないことから、出し切れない子ども達のパワーをバランスよく発散させ、保育活動に興味を向けられるようにしようと、この季節ならではの園生活、保育内容の充実を図っていきたいと考えております。


 そして保育室内にとどまりがちな子ども達の動線も考えながら環境設定を行っていきます。


 テラスやホールも十分に活用しますが、子ども達の合羽(レインコート)、これが園生活でとても必要になる場面が出てまいります。

少しぐらいの雨であれば、みんなで合羽を着てのお散歩や、お当番活動などをすることで、子ども達にとっては、つまらなくなりがちな雨降りお天気が、一気に味方になり、「自然に触れる、自然と関わる」魅力的な体験になるからです。

様々な雨音を楽しんだり、園庭やアスレチック広場の水の流れを観察したり、そして延いては毎日使っている水の大切さなどへ子ども達の気付きから関心へと保育に生かせることは山ほどあるのです。




さて、親子遠足では、大勢の保護者の皆様と子ども達が心地よい緑に囲まれた荻野運動公園で、とても和やかに、のびのびと活動することが出来ました。


少し前まで集まることの難しさに怯えるばかりでしたが、政府のマスク着用に対する見解も丁度良いタイミングで出たこともあり、親子同志で触れ合いを楽しむことが出来たのが何よりでした。

今を乗り越える方法や工夫をすることで、改めて出来ることが見えてくるようになりました。


これから夏に向けて子ども達が心も体ものびのびと健康な生活を送れるようにするためにも、ウィズコロナ時代に向けて、様々ある制約を考え直し、新たな挑戦をする時期に来ているのかもしれません。

皆様のご参加、ご協力ありがとうございました。



ところで今月は、保育参観を予定しております。

日頃の園の様子をご覧頂くことになりますが、内容の詳細については後日お知らせいたします。



 年少児をはじめ新入園の子ども達は、入園して2か月もたたないうちに、園生活の仕方を少しずつ身に着け、自分で楽しいことを見つけ始めています。


 動画でご覧いただいたように、これからも全身で感触遊びを楽しむことが、ますます増えてくると思います。

その中でも砂や土や水は、子ども達にとって何よりの教材です。

砂場には、毎学期2トンほどの新しい砂を入れております、アスレチックの赤土も毎年、感触の良い滑らかな土を購入して入れています。

これらに水が加わることで形が変わり、遊びが広がります。

どれも、形として残らない物ではありますが、子ども達は自分の感覚を磨いてくれる変幻自在の砂や土と戯れ、遊び込むことで、物質が変化する面白さ、自分の手で造り上げる楽しさ,そこでたまたま出会った子ども同士で感じあえる「共感性」,この素材が持つ可塑性(作っては壊れる)が導いてくれる繰り返しの中で、工夫を凝らしていくめげない気持ち等を必ず獲得していくのです。


毎日お着替えを持ち帰り、お洗濯が大変なことになっているかもしれませんが、どうぞこんな経験は幼児期だからこそ、と受け止めて頂きたくお願い申し上げます。



園生活がすっかり自分のものになってきた年中児たちは、「つるんで遊ぶ、誘い合って遊ぶ」姿が多いにみられるようになってきました。

まだルールの共有も仲間意識も緩い中での遊びの姿ですが、「鬼決めじゃんけん」が楽しかったり、ままごとのシチュエーションをやけに複雑にしてみたりと、年中児らしい姿で他者と関わることを求め、その修行中という様子がほほえましくも見え、人間関係の難しさを実感している健気な様子も目に入ります。

いわゆる「けんかするほど仲が良い」という現状でしょうか。



 年長児たちは園生活の達人への道はまだ遠く、年長児だからこそ課せられるお当番活動にも翻弄されている様子が見られます。

まだ遊びたい、今のタイミングではない、などグループの友だちとの意見の調整がつかない中、一人一人の違った思いが交錯し、もめていることが多く見られます。


この「もめごと」が毎日あらゆる場面で噴出するのですが、まさにこの時が、「学びの時」と考えております。

「せんせいどうするの?」「○○ちゃんがやった!」「ぼくはやってない!」そんな声があちこちから聞こえる中、

「どうしたらよかったのかなー?」

と答えをはぐらかすかのように「子どもからの問いに問いで返す」時間を大切に繰り返す日々です。

幼児期の子ども達にとって、特に仲間とのかかわりの中で生まれた疑問や問題は、答えを導き出していく過程が大切だと考えます。



園長  難波 香織

posted by 管理人 at 15:13| 園だより

2022年05月31日

令和4年5月のおたより

今、園庭には大きなこいのぼりが、青い空の中、風を受けて泳いでいます。


そのコントラストが美しく、毎年のことながらその姿に目を奪われます。

こいのぼりは、端午の節句の象徴で、子どもの誕生と健やかな成長を願って、大空に掲げられるようになったことが由来です。

園のこいのぼりは、縦ではなく横に張ってつるしているため、子ども達は吸い寄せられるように大きなしっぽをつかもうと、触りにきます。

そんな子ども達を見て、コロナ禍といわれる状況下でも、こいのぼりの由来の通り、「健康」と「安全」という子どもの成長にとって一番大切な社会状況が、一日も早く提供できるようになって欲しいと願うばかりです。



さて、私はよくカメラを首から下げ、園内中を歩き回っているのですが、保育室に私が入ると、子ども達の目線が集まります。

新入園児の中には、馴染みのない大人の登場に動きを止める子どももいれば、担任の先生にそっと身を寄せる子もいます。

緊張させてしまったことを心の中で詫びつつも、私(侵入者?)に対して情報を収集しようとする敏感な姿に感心します。


そんなとき、改めて人は生まれながらに主体的だと感じます。

多くの研究で、人は本来、主体的存在であるといわれています。


それを感じたのは、先日の我が子との関わりでした。

ここのところの気温の上昇もあり、軽い水遊びをしたときのことです。

ベランダに水を入れたベビーバスを置き、娘を抱き上げてそこに入れようとすると、彼女は足を縮めて泣き出しました。

昨年、水遊びを思い切り楽しんでいたので、あれ?と思いつつ、すぐに抱き上げ「ごめんね」と言ってから、そのままシャボン玉遊びに切り替えました。

しばらくして、娘がバシャバシャと水を触りだしました。

カップに水を入れたり出したりし、陽の光をうけて水しぶきがきらきら光るのを見て笑い声をあげ、それから足を挙げて自ら水の中に入っていきました。


 突然、抱き上げられて自分の意思とは関係なく水に入れられそうになり不安になる。

自分のペースで、対象物(水)と関わることで、少しずつその楽しさを感じ、自分から水の中に入っていく。

娘のそんな姿から改めて大事なことを教えてもらい、「なるほどねー」と独り言をいっていました。

人は準備ができていないのに無理やりさせられると不安になったり、自信を無くしたり、場合によってはやろうとしなくなってしまいます。

けれど、どんなことでも、自分のタイミングで心が動いたときに行動できると、生き生きとし始める。

そう考えると、昨今、主体性がないといわれる子どもは、そもそも主体性が乏しいのではなく、主体的に行動しにくい環境が多いために、いつのまにか主体的に動けなくなってしまうのではないか、と感じました。


そうはいっても、家庭生活ではそんなに悠長なことはいってられないかもしれません。

仕事や家事が怒涛の様に続く日々の中で、子どもの思いに耳を傾け、待ってあげて、子どもの意思(主体性)を大切にするといっても、なかなか難しいと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。


しかし、幼稚園は違います。

子どもが始めたことをまず大事にし、その姿を肯定的に受け止めます。

保育者が子どもとのそんな関わりを重ねることから、子ども達の中に「もっとやりたい」という意思が生まれます。

子どもが考えたことを受け止めて、生かす生活を展開する中で、子ども達は生き生きと遊びや生活に取り組んでいきます。

そんな「やりたい!」と思う環境づくりを先生たちは日々試行錯誤しながら構成し、提供をしています。


こんな日々の保育の様子を、クラス担任は、クラスだよりで発信をしていますが、保護者の皆様もクラスで起きている子ども達のわくわく感を楽しみにして頂きたいと思います。




先日のお誕生会後の歓談での、ある保護者の方のお話です。

その方のお子様は、幼稚園でみつけた大切なものをポケットにいれて持ち帰ってきているそうで、ある時は石、または枯れた花や葉っぱだったりと、毎日聞くお話が楽しみだったそうです。ある日、小さな蛾(もちろん息絶えていました)を持って帰ってきたそうで、お母様も、それにはびっくりしたけれども、今まで虫が苦手だった我が子の変化に、ある意味感心された、というエピソードでした。

大人にとっては、ほんの小さな虫ですが、子どもにとっては、「お友だちが捕ってくれた」だけで、大切な宝物に昇格するのです。



心理学者のピアジェは子どもは小さな科学者だといっていますが、まさしくその通りだと日々感じます。

レーチエルカーソンが「センスオブワンダー」で神秘さや不思議さに目を見張る心の大切さを記したように、日々子ども達は主体的に心を動かしているのです。


もうすでに、園内では様々な虫が活動を始めています。もしかしたらお子様の絵本バックやズボンのポケットにダンゴムシや蝶々などが入っていて、保護者の方は悲鳴をあげるかもしれません。

でも自然に対する「関心、探求心が芽生えている」と捉えて、子どもたちの行為を肯定的に見守り、その先へと伸びていく育ちを楽しみにしていただけたらと思います。




さて、3年ぶりに行いました身体測定、クラス懇談会には、保護者の皆さまにご協力頂き、滞りなく行うことが出来ました。

ご協力ありがとうございました。

その折、新年度の若葉会役員にご協力頂き、心よりお礼を申し上げます。


懇談会では、どのクラスもとても和やかに行うことが出来、その流れで親子遠足も、保護者の皆様と一層、親睦が深まるようになればと考えております。

この行事を契機に、保護者の皆さまと園がしっかり連携し、子ども達の園生活がより充実したものと成る様にしていきたいと存じます。


どうぞよろしくお願い申し上げます。



副園長 難波 忠弘

posted by 管理人 at 00:00| 園だより

2022年04月29日

令和4年4月のおたより

  4月に入り、一斉に桜が満開となり、いよいよ新しい年度の始まりを感じる中、幼稚園でも「アイアイ(預かり保育)」、「ちいさなおうち」では、既に新しいお友だちも迎え、元気に始動しております。


 さあ、令和4年度のはやしっ子たちが、勢ぞろい、泣き顔やら笑い顔がまるで満開の花々のように散りばめられる、にぎやかな幼稚園のスタートです。




 お子様のご入園、ご進級、誠におめでとうございます。毎年のことですが、4月の幼稚園は、春の嵐の様、といっても良いかもしれません。

特に新入園のお友だちにとっては、全く未知の世界への一歩を踏み出すわけですから、とてつもなく大きな冒険の始まりです。大人は、これから起きるおおよそのことは想像できるわけですが、まだ、生まれて数年の経験しかない子どもにとっては、「ようちえんへいく」ということは、自分にとって、何の必然性も感じられない流れの中で突然出会う大事件でしょう。


「なぜ?」

「ここはどんなところ?」

「あなたはだれ?」

と次々と襲ってくる不安と疑問の中で過ごす日々が始まるのです。


けれど、来させられることに、幾ばくかの抵抗を感じながらも来てみれば、周りは同じような様子の同じくらいの子ども達ばかり、にこやかに出迎えてくれる大人(せんせい)は、悪い人ではなさそう・・、その上、触ってみたくなるおもちゃや遊具があったり、不思議な生き物がいたり、なんだか楽しそうに遊んでいる子がいっぱい・・・、こんな風に一人ひとりが自分のペースで、自分の目で周りを見て、何かを感じて、自分の中で少しずつ折り合いをつけながら、納得をしていくための時間が必要です。


今は駄々をこねたり、泣いて訴えたりすることしか手立てのない子ども達なのです。

なぜなら、言葉で説明がつかないことばかりだから、または、自分のもどかしい気持ちをまだ伝えられるほどの「言葉」を持ってはいないのです。

初めての場所、初めての人、初めてのこと、との出会いを、大人たちは、焦らずゆっくり見守ってあげましょう。


「幼稚園では、泣いていいんだよ。」と私たちは伝えていきます。

自分の思いを「そのまんま出せる場所」が、お家の次に幼稚園であってほしいと考えております。



進級児のお友だちも、もう幼稚園生活に慣れているから大丈夫、とは簡単にいきません。同じように物事の変化に対して気付き、感じる心が育っているからこそ、不安はあるはずです。

基本的な生活の仕方は分かっていても、仲良しさんと同じクラスとはいかなかったり、慣れた先生の話し方ではなかったり、不安材料はいっぱいです。

けれど、進級児にとって、園生活の経験の中で育った好奇心は、前を向く力を支えてくれるはずです。

今までかかわったことのないお友だちや先生との出会いは楽しみでもあり、新たな刺激を受けることでしょう。

そして、出会いのステップにはお互いの様子をうかがう時間も必要です。

まずは、子ども達が幼稚園に行くのが楽しみ、明日が楽しみ、と思えるような園生活を幼稚園では用意していきたいと考えております。

そして、少しずつ担任やクラスの仲間に親しみをもって関われるようになって欲しい、ありのままの自分を出せるようになって欲しいと願っております。




 さて、何事も始めが肝心といわれますが、新学期の初めに保護者の皆様に少しのお願いをしたいと思っております。


それは「気持ちの良い朝」をどのように迎えるか、をご家族で工夫して頂きたいのです。

まず今までより少し早起きをして、朝陽を浴びながら、お家の中の空気を朝の空気と入れ替えてみたり、ついつけてしまうTVをつけないで、お子様に映像は見せないで、朝ご飯をゆっくり食べることに時間を割いたりと、いつものあわただしい朝の時間の過ごし方を変えてみる工夫をしていただきたいのです。


そして、我が子に「はやくして!」と言わない朝を過ごしてみて頂きたいのです。「そんなのむり!」と言わずにチャレンジしてみるのも良いのでは、と思います。お子様の今まで見えなかった素敵な姿に出会えるかもしれません。

我が子もいつもと違うお家の様子に、何かを感じてくれると思います。




 423日(土)は各クラスの懇談会を予定しております。

未だコロナの影響を受けつつある状況下ですが、感染予防に努め、お子様のクラスの様子のお話や担任の先生と保護者同志の顔合わせをさせていただきたいと思います。

役員決めもありますが、若葉会(保護者と先生の会)の委員さんは、お子様が新しいスタートを切るそのすぐそばで、一緒に園生活の様々な場面を経験し、応援して頂ける立場です。


この2年間は思うように活動が出来ないこともありました。それでも子ども達は、園で保護者の方が何か自分たちのためにやってくれている、そんな雰囲気をどんな小さなことでも感じ取ってくれています。


幼稚園と保護者会が手を携えることで、子ども達の園生活がのびのびと健やかに営まれるようになるとも考えております。


閉塞感に満ちてしまった世の中に、少しでも風穴を開け新鮮な空気を取り込む、そんな保護者会の活動になるように園側でもしっかり関わり支えていきたいと考えておりますので皆さま奮ってご参加いただきたいとお願い申し上げます。




最後に、この一年間のお子様の成長を、保護者の皆様と共に歓びあえるそんな園生活にしようと準備を進め、教職員一同で、保育に力を尽くしていきたいと考えておりますことを申し添え、ご挨拶とさせていただきます。


どうぞよろしくお願い申し上げます。




園長  難波 香織


posted by 管理人 at 00:00| 園だより