2024年02月05日

令和6年2月のおたより

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登園早々、朝の身を切るような寒さの中、子ども達は氷が張ったベビーバスの氷を手に取り遊んだり、園庭の霜をザクザクと踏みしめて楽しむなど、まさに“冬”を身体で感じているようです。

身支度を終えると、元気に外へ飛び出していく姿や、クラスの仲間意識を感じながら、自分たちだけの特別な空間づくりに夢中になる子ども達の姿もあります。

3学期のこの頃の様子に目を向けると、遊びの中や友達と力を合わせて取り組む活動の過程で困難やトラブルを自分達で試行錯誤しながら乗り越えていこうとする力強い姿があります。

これからも子ども達には「自分で考えてみよう」「みんなで考えよう」ということを大切に伝えていきたいと思います。


最近、個人的にchatGPTを使う機会が増え、使うたびにその力に驚かされます。

保護者の皆様にも、既に活用している方もいらっしゃるかもしれません。

簡単な会話やわからない事象を丁寧に教えてくれるのはもちろんのこと、自分のまとまりのつかない考えについて、単語をいくつか挙げるだけで、自動で文章化してくれるこの優秀なアプリは社会生活全般をより便利にしてくれることでしょう。

しかし、ここで忘れてはいけないことは、chatGPTはネット上の多数派(マジョリティー)の意見を集約したものであるということです。

幼稚園の子ども達の話し合う姿の中では、多数決で決めることはほとんどありません。

子どもたち同士の対話で物事が決まっていきます。

私はこうしたい、あなたとは違う、それならどうしようかと考え、お互いに折り合いがつくまで納得のいく答えを導き出していく、という過程を子ども同士は遊びの中で繰り返し悩み考えます。


京都大学の明和政子教授の書籍にはヒトの育ちについて以下のように書かれています。

【能動性(意欲や希望をもって生きること)の発達には、前頭前野と呼ばれる額の内側にある脳の部位が担っています。そして、その成熟は25歳で完成されます。さらに詳しくその発達を分けると、第1期(3歳〜就学前)と第2期(思春期)に分かれており、第1期では多様性のある活動を豊富にする経験が必要です。そうした経験を沢山することで、相手の心を自分のものとは切り離してイメージし、どうふるまうのが良いかを推論する経験が増えます。】


人間にとって、どんな時でも、どんな環境の中でも希望をもって平和に生きること、それが「幸せ」なのだと思います。

そのような生き方を追求できる人間に育つために、幼児期にたくさんの失敗体験・成功体験を通して、自分を知り、相手を知り、社会を知ることが大切です。


さて、10日には1年間の描画を中心に展示をご覧いただく生活展があります。

園生活における表現活動のひとつですが、担任とお子様の作品についてお話をしながら、ゆっくりご覧いただきたいと思います。

幼児にとっての造形表現は、その年齢や経験によって多様ですが、描くことが楽しい、創造することが面白いと感じられる経験にしていきたいと考えております。


※最後に、依頼をさせて頂いた能登半島地震募金へのご協力ありがとうございました。

皆様の復興への願いが、現地の子どもたちに届くよう願います。

募金は今月末まで行いますので、引き続きご協力の程、お願いします。



参考文献 明和政子「ヒトの発達の謎を解くー胎児期から人類の未来まで」


文責 副園長 難波 忠弘


posted by 管理人 at 14:22| 園だより

2024年01月12日

令和6年1月のおたより

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園長 難波 香織  

あけまして、おめでとうございます。


お正月とは思えないほどの温かい陽気で迎えた令和6年は、大きな出来事で幕を開けました。

自然災害は時を選ばず、突然に私たちの生活を脅かしてくることを、元旦早々に目の当たりにしました。

石川県のみならず北陸にお住まいの方々の心中を思い、心からのお見舞いを申し上げます。

大きな不安と恐怖に飲み込まれた新年が一日も早く穏やかな温かい日常に戻られることを、私たち皆で応援することが大切だと思います。

寒い冬空の下で、家を失った子ども達はどのように過ごしているのでしょうか。

今後、幼稚園としても何かできることは無いかと考えております。



さて、私たちの日常に目を向けると、防災への意識が強く問われてくると思います。

幼稚園でも備えを進めていますが、改めて、すべての人が「防災を学ぶ」重要性が示されました。

12月に成人委員会で催された防災講座もとても良い内容でしたが、参加者が少なかったのが少し残念でした。

これからは、保護者の皆様も、自治会などで催される防災教室、防災訓練などには、お子様も一緒に、積極的に参加されることをご検討ください。

幼稚園でも保護者の皆様に、防災に関するご協力をお願いすることも有るかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。



さて、一年の園生活を締めくくる3学期が始まりました。

2学期までに、たくさんの遊びを経験してきた子ども達は、ルールや決め事のある遊びを楽しめるようになりました。

また自分の技を磨いていく根気のいる遊びにも興味を持って取り組む姿が見られます。

日本の伝承遊びは、どれも子どもの頃から培う杵柄(きねづか)が磨かれます。

コマ回しや羽根つき、まりつき、かるた取りやすごろく、そんな昔遊びを保育に取り入れながら新学期を迎えますが、久しぶりに会う友達や先生とお正月に経験したことなどを、皆でワイワイと楽しくお話ししてくれることと思います。


2学期までの園生活で、様々な表現活動の経験を積み上げてきたことで、3学期は、子ども達の描画表現への取り組みも充実していくことと思います。

描画はじっくりと集中して取り組む内省的な活動ですが、その一方で身体を動かす楽しさを知っている子ども達は、運動的な遊びにも夢中になる姿が見られると思います。

少しぐらいの寒さなどは気にもせず、仲間を誘ってドッチボールやサッカー、ドロケイなど外遊びへも向かうことと思います。


そんな子ども達の「動と静」のバランスを考えながら園生活をスタートさせていきたいと思います。


そして16日には若葉会のお楽しみ会、「ロバの音楽座」をお招きして音楽会を全園児が楽しませていただきます。

これは9月に行ったバザーの収益を基に若葉会として催すもので、はやしっ子達にとって、この素晴らしく楽しいそして本物の音楽との出会いは、心に残る思い出の一つとなるに違いありません。


新年早々のお餅つきも、若葉会役員、父親会議の皆様のお手伝いで、例年通りに行う予定です。

新年早々にも関わらず、本当に役員の皆様のお力添えには感謝申し上げます。

大人たちが手を携えながら大きな輪を作り、その中で伸び伸びと育つ子ども達の姿を見守る、そんな情景が目に浮かびます。

そして、いずれ、どの子もが、この大きな輪から自分の力で飛び出していく力をつけ、成長していってほしいと願います。

3学期は最も短いのですが、どの学年の子ども達も、充実した園生活を送る力がついてくることと思います。

どうぞ3学期もお子様の成長を楽しみに見守っていただきたいとお願い申し上げます。



posted by 管理人 at 12:53| 園だより

2023年12月01日

令和5年12月のおたより

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副園長 難波 忠弘 


今年は秋らしい天気をあまり感じないうちに、いつの間にかすっかり寒くなってしまいました。

さらに、季節外れのインフルエンザが流行っていたり、胃腸の風邪も猛威を振るうといわれているので、ご家族で早めに予防対策をするなど、お気を付けください。


園でも手洗いうがいや、保育室の換気や衛生管理にも一層気を配りたいと考えております。



さて、10月のおたよりに簡単に書かせて頂いた【小学校との接続】について、今月は具体的にお伝えしたいと思います。

今月も小学校の先生が園にいらしたり、保育園の先生が見学にいらっしゃいました。


その中の一幕をお伝えします。

小学校の先生を案内した際、年少の子ども達がお芋ほりに一緒に行ってくれた年長組のお兄さんお姉さんに、お礼として蒸かしたお芋を届けに行くところを見かけました。

また、年中が自分たちでお昼ごはんを準備している場面や、

年長がヤギ当番をしている所をご覧になりました。

当番では、誰が小屋に入るかを揉めながらも、話し合いをしながら、なんとかやっている状況をご覧になりました。


こうしたはやし幼稚園の様子をご覧になり、小学校の先生は驚きと、感嘆の声をあげていました。

具体的に挙がった話として

「小学校では決まった時間・教科・単元があり、教室という空間に子どもたちがいることが前提で授業を進める。

一方、幼稚園にはそのような明確な時間、授業がないためどのように教育をしているのかがわからなかったが、こうして見てみると、日々の生活の中で子どもたち自身が遊び、学び、悩み、生きている。

そしてそこには子ども達同士の対話がある。

まさしく主体的で対話的な深い学びですね」

とおっしゃってくださいました。

幼稚園で大切にしていることをご理解いただき、嬉しく思いました。


OECD(2017)による“StartingStrongX”にはこう書かれています。

“子ども達を学校のために準備させるのではなく、学校が子ども達のために準備することに焦点を当てよう”(和訳)

はやし幼稚園では、子どもたちは遊び、悩み、考え、友達と協力しながら、毎日を懸命に生きています。

そして、その子ども達が環境が変わってしまうことで、希望や活力を失っってしまわないように、教育現場から少しずつ声を上げていきたいと思います。



さて、12月は、「はばたきの会」というクラス単位で行う表現の活動があります。

これについては明日配布する冊子を前もって目を通して頂き、当日は園に足をお運びください。

また、月の後半には子ども達の心躍るクリスマス会があります。

毎年この会で、子ども達には「信じる気持ち」と「よい子でありたいと願う気持ち」を感じてほしいと願い、会の流れを考えています。

いつもとは違う空間で、幻想的で温かい雰囲気を子ども達に味わってほしいと考えておりますので、当日、お子様がお家に帰ってから、どんなお話をするのか、楽しみにしてください。



 ところで、年末年始のお休みは、ご家族皆さまで故郷に帰省されたり、旅行に行かれたり、お家でゆっくりと過ごされるなど、様々だと思います。

また、お子様にとっても、この季節は、いつも以上に家庭の温かさを感じる事が多いのではないかと思います。

そして故郷ならではの伝統や風習を経験し、それぞれのご家庭らしいお正月を過ごすことで、いつの間にか、家族の中で継承されていく大切なものがあるのではないでしょうか。


どうぞこれからも、温かく良い思い出をご家族皆さまで、作っていただけるように、心より願っております。


そして来年も、皆さまで、お健やかにお過ごしください。

posted by 管理人 at 14:35| 園だより