令和3年度 学校関係者評価
令和4年7月11日
学校法人緑ヶ丘学園
認定こども園 はやし幼稚園
認定こども園 厚木緑ヶ丘幼稚園
◎学校関係者評価とは
幼児のより良い育ちを支える学園の資質向上のため、認定こども園としての目標や取り組みなどの達成状況を明らかにして、その結果をもとに学園運営の改善を図るために実施するもの。
◎当学園の評価の方法
(1)職員自己評価
教職員全員で自園の良さや課題を把握し、教育目標の設定(Plan)→保育の実践(Do)→振り返り(Check)→改善(Action)のサイクルを繰り返すことで、実践の質の向上を目指す。
(2)保護者アンケート
(3)学校関係者評価
保護者、地域住民等の学校関係者等により構成された評価委員会が、より客観的に評価する。尚、評価委員会は学園の評議会が兼務している。
◎学園の教育目標
【心豊かにたくましく】
豊かな感性に裏付けられ、健やかな心と体を持った子ども
自分の力で考え、行動できる、積極的で粘り強い子ども
生きいきした個性を持ち、仲間を大切にし、皆で力を合わせる喜びを知っている子ども
◎令和3年度重点的に取り組んだ項目・目標・計画
@子育て支援
もともとの子育て支援の拡充に加え、コロナ禍だからこそ、孤立し支援が必要になる家庭もある事など加味し、重点的に取り組んだ。
特に、以前までは園長、教頭、主任教諭などが適宜対応していた子育て相談の窓口について、令和3年4月から上野はるみ先生を迎えることができた。上野先生は他市立幼稚園で長年園長を勤められ、教育行政にも関わり、地域の子育て支援や障害児支援をされている子育て相談のプロであり、当学園の元保護者でもある。令和3年度は、毎月のお誕生会と保護者懇談会に出席し、相談窓口の普及に努めた。子どもや保護者はもちろん、職員にとっても心強く、安心感が生まれた。今後も、地域の子育て家庭の様々な相談に対応できるように学園としても尽力していく。
また、未就園児の地域交流の場としてわくわく広場も実施した。感染症対策を講じた上で保護者や地域の子育て家族にとって、心地よい学園、居心地よい地域づくりを進めることができた。
A数量図形、文字などに興味がもてるような活動の実施
毎年の保護者アンケートで指摘されている項目だが、各年齢や子ども個人の発達相応の活動を行っていることについて、保育者の意図を保護者に伝えきれていない状況が課題として考えられる。対策として、クラスだよりなどにドキュメンテーションを採用し、情報提供に努めた。
(詳細は下記のU.保護者アンケートにて記載。)
B園舎や遊具などが安全な設備か
令和2年度のアンケートで低評価だったため、令和3年度からは、遊具の定期点検についての情報を公開(各園掲示板に、宮本遊具の定期点検結果を貼りだした)。
また、記録を開始した平成28年から令和3年度までの園児のけがや事故、ヒヤリハットを精査し、職員間で共有した。子どもの命を預かる職業としては義務ともいえる研修も毎年実施しているが、今後は保護者にとっての安心安全な園とはどうあるべきか、職員全員で検討していきたい。
T.職員自己評価 項目の達成及び取り組み状況
両園共に、昨年度よりもほとんどの項目でポイントが向上した。
令和2年度はコロナ禍での保育の在り方について手探りの状態で保育を行っていたところもあり点数の低下が顕著であったが、令和3年度は感染症対策の方法等を研究・工夫し保育を実施することができた。
どのような世の中であっても、社会を生き抜く力の根幹は幼児教育で培うものであるという初心に返り、職員全体としても保育計画、保育内容を見直し、計画的に保育に望めた様子が伺える。
「地域住民や関係機関との連携」については、新型コロナウイルスの猛威も収まりつつあるため、ウィズコロナの中でできるだけ、地域との交流を再開していくことを検討していきたい。
「教師の役割・資質向上」については、研修がオンラインとなったことで、以前よりも研修に参加しやすくなった側面もあり、今後は遠方で開催される研修にも参加できるなどメリットを有効に活用していきたい。
U.保護者からの評価
昨年とアンケートの質問項目は変わらないが、今年は回答の選択肢を増やした。
昨年までは、@出来ているAどちらともいえないB出来ていない の3択であったが、今年は、より詳細な保護者の評価を汲み取るため、@出来ているAやや出来ているBあまり出来ていないC出来ていない の4択とした。
厚木緑ヶ丘幼稚園は、みどりの会役員の27名に、はやし幼稚園は、若葉会役員の32名に協力していただき、無記名アンケートを実施。
両園共に、C出来ていない の回答は全設問で0であった。この結果からも、学園の保育に対して保護者の理解・協力を頂いていることを再認識できる結果となった。
ここでは、Bあまり出来ていない、Aやや出来ている に比較的回答がある設問に注目する。
両園共に比較的低評価なのは、
設問12「数量図形、文字などに興味が持てるような活動を取り入れていますか」
設問16「社会状況(災害、病気など)に配慮し、適切な教育活動を行っていますか」
これらの設問について、精査する。
設問12「数量図形、文字などに興味が持てるような活動を取り入れていますか」
今回のアンケートを見るだけでは低評価だが、年を経るごとに評価自体は上がってきており、学園の目指す幼児教育・保育について、保護者に長年お伝えしてきた成果が見えてきていると考えられる。
具体的には、教育保育活動の意図を保護者が理解しやすいように、クラスだよりなどにドキュメンテーションを利用している。これは、園での育ちの瞬間を職員が写真に撮り、その場面の状況や子ども達の言葉などを付けるものであり、臨場感あふれる幼稚園の様子を保護者に報告することができるようになった。これにより、多くの保護者が、園の活動はただ楽しく遊んでいるだけではなく、その保育環境には保育者の意図があること、幼児の発達に応じた保育があることを少しずつ知っていただくことができたのではないだろうか。
年長に関しては、数量図形、文字についての活動が分かりやすいが、年中・年少・満三でも数量図形、文字について発達に応じた活動を教育課程に則って計画を作成した上で、日々の保育を行っていることを保護者に情報提供していきたい。
設問16「社会状況(災害、病気など)に配慮し、適切な教育活動を行っていますか」
この設問は、コロナ禍においての適切な教育活動について、ご意見をいただいていると考えられる。
学園としては、保護者の皆様から様々なご意見をいただき、それらを加味した上で、社会情勢を見据え、その時々の最善を模索しているが、感染症対策と保育活動のバランスが非常に難しい1年だったと振り返る。また、個人や家庭によって、また保護者の社会状況などによっても価値観が大きく違うこともあり、ご意見を頂いても、それを反映させられないことも多々あった。
今後も、社会の変化に応じて臨機応変に、子どものことをまんなかに考えられる学園を目指していきたい。それには、保護者や地域住民の声をきちんと聴き、子どものための幼稚園について職員全員で考え続けていくことを繰り返していきたい。
V.学校関係者評価委員会の評価
令和4年6月6日に実施された学園評議会にて、学校関係者評価委員会が実施された。
令和3年度の学園の活動を総括して報告し、幼児教育についての研究努力や研修の実施に対し、評価をいただいた。
課題としては、職員の研修内容や防犯・危機管理対策(けが・ヒヤリハット含め)を保護者や地域住民へ公開していく必要性を指摘して頂いたので、今後取り組んでいきたい。
◎令和3年度の評価項目の達成状況
【評価 A:十分に成果があった B:成果があった C:少し成果があった D:成果がなかった】
@ 子育て支援 【B】
A 数量図形、文字などに興味が持てるような活動の実施 【C】
B 園舎や遊具などが安全な設備か 【B】
◎総合的な評価結果
【B】
理由:令和3年度に学園として重点的に取り組んだ3項目について、対策を講じた結果、職員自己評価や保護者アンケートでポイントの向上が見られたた。しかしどの項目も、改善できる余地があり、今後も子どものための保育改善が継続して必要であるため、総合結果を【B:成果があった】とした。
◎今後取り組む課題(令和4年度に向けて)
@教師の役割・資質向上
理事長の方針「教えるものは学べ」を再認識していく。
防災、安全・危機管理など基本的な研修の受講は全職員参加を徹底し、各職員個人の資質向上への支援を学園として行っていきたい。
A地域住民や関係機関との連携
いまだコロナ禍ではあるが、感染症対策も社会に浸透してきており、日常生活も少しずつではあるが戻ってきている。この2〜3年で、うんどう会への住民の招待や他保育園・老人ホーム・老人会等との交流など、活動自体を自粛したため、疎遠になってしまった地域住民との交流を徐々にでも再開し、子どもたちが様々な人々と関わる機会を取り戻していきたい。
B子育て支援
近年、経済学の研究に裏打ちされる形で、幼児教育に投資することが将来の経済発展に有効と科学的な根拠が出された。国の政策としても、子どもをまんなかに置いて、保護者や家族も安心して子育てし暮らせる社会を目指すことが、すべての人が暮らしやすい社会を実現させる方法として、行政改革・法整備が進んでいる。
学園としても、自園の子どものことだけを考えるのではなく、広い意味で地域の子育て環境を改善していく活動が社会的に求められていると考え、今後重点的に取り組んでいくこととした。