令和2年度 自己評価・学校関係者評価報告書
令和3年6月11日
学校法人 緑ヶ丘学園
認定こども園 厚木緑ヶ丘幼稚園
認定こども園 はやし幼稚園
1.本園の教育目標
【心豊かにたくましく】
〇豊かな感性に裏付けられ、健やかな心と体を持った子ども
〇自分の力で考え、行動できる、積極的で粘り強い子ども
〇生きいきした個性を持ち、仲間を大切にし、皆で力を合わせる喜びを知っている子ども
2.令和2年度重点的に取り組んだ項目・目標・計画
「地域住民や関係機関との連携」「教師の役割・資質向上」「子育て支援」「学校関係者評価の適切な実施」について、学園全体が組織的に取り組むべきことを把握し、教育活動の充実・改善・向上に努めた。
保護者アンケートより、@数量図形、文字などに興味が持てるような活動、A園舎や遊具などが安全な設備か、の項目が指摘されていた。
これについて、@子どもの発達に応じて、数量図形、文字に興味を持てるような活動を行っていることを保護者へ伝えていく。具体的な活動の紹介、活動の意図を説明する。方法としてクラスだより、園だよりなどをより活用する。A子どもの成長のため、難易度の高い遊具を設置していることを保護者へ伝えていく。遊具の利用時に、教職員が適切に見守り、介入していく。定期点検の結果を公表し、修繕報告を行う。
3.評価項目の達成及び取り組み状況
【評価 A…十分に成果があった B…成果があった C…少し成果があった D…成果がなかった】
「地域住民や関係機関との連携」 C
「教師の役割・資質向上」 B
「子育て支援」 C
「数量図形、文字などに興味が持てるような活動を実施しているか」 B
「園舎や遊具などが安全な設備か」 C
過去の職員による自己評価結果と比べると、両園共に自己評価が著しく低下してしまった。
これについては新型コロナウイルス感染症の影響は大きく、職員自身納得のいく保育が行えないジレンマがこの結果に反映されている。
「教師の役割・資質向上」については、子ども達が登園できない期間もあり、例年よりもじっくりと子ども達のための保育について学園内で話し合い、在宅での子どもたちの成長を考え作成したキット、動画配信など例年とは違う方法で、教師の役割・資質の向上につながったと考える。
両園共に、昨年比マイナス幅が大きい項目が、「地域住民や関係機関との連携」と「子育て支援」である。地域の老人会、小学校や保育園との交流会や、地域のお祭りなどが軒並み中止となり、例年の活動と比べると、職員としてはどうしてもやりきれない状況であった。また、子育て支援の軸であった、子育て講演会も実施できず、長年続けていた園庭開放ができなかったことも、非常に悔やまれる点である。
よって、新型コロナウイルス感染症の対策や新しい生活様式について、しっかりと定着させ、また子どもたちのため、ひいては家庭や地域社会のために、学園として何ができるのか、何が最善なのかを考え続けていくことが重要である。
試行錯誤の一例として、昨年までは収穫したさつまいもを近隣老人ホームや小学校におすそ分けし、交流するのが恒例であったが、交流会ができないため、収穫したさつまいもをどうするか、年長児と相談し、近隣住民へ園児が配る活動を行った。
このように、感染対策を実施した上で、コロナ禍の中でも地域や関係機関との連携を模索している状況であり、このような工夫を積み重ね、日々の保育の充実を図っていく。
ここで、忘れてはならないのが保護者の評価である。
コロナ禍で不安が渦巻く社会情勢の中、当学園を信頼して子ども達を預けて下さった保護者のアンケートを確認する。
【園は保健衛生についての情報を提供していますか】【興味や関心に基づいた体験が得られ、友達と十分に関わって遊べるような配慮がされていますか】【社会状況に配慮し、適切な教育活動を行っていますか】【保育者との信頼関係に支えられて、幼児期にふさわしい園生活が保障されていますか】これらの設問に対し、ほとんどが《できている》との回答を頂いたのである。
職員としては、知識と経験があるからこそ、例年と比べて低い自己評価となったことは否めないが、この社会状況の中で、保護者からこのような高評価を頂いていることをしっかりと認識することで、保育は幼稚園だけでなく、保護者、家庭、地域があってこそできるのであり、社会が連携して子どもたちを育てていくことを再認識し、今できる保育を追求していくことが大事なのだと改めて感じることができた。
厚木緑ヶ丘幼稚園について
・22名の保護者(保護者会の役員の方々)に協力していただき、アンケートを実施。
・全設問を通じて、《出来ていない》との回答はなし。これは、アンケート結果を確認できる2012年以降、厚木緑ヶ丘幼稚園では初めてのことである。
・毎年、評価が低い【数量図形、文字などに興味が持てるような活動を取り入れていますか】について、今年は、《出来ている》が11名、《どちらとも言えない》が11名で、《できていない》は0名であった。
この設問は、毎年必ず《出来ていない》との評価を一定数示していたため、大きな改善といえるのではないだろうか。
昨年の学校関係者評価の改善目標項目であったため、1年間の当学園の活動が評価されたと考えられるが、《どちらともいえない》の回答も多い点から、今後も引き続き改善目標として継続する。
・2番目に《どちらともいえない》の回答が多かったのが、【園舎や遊具などが、安全な設備となっていますか】である。《出来ている》16名、《どちらともいえない》が6名であった。
昨年の学校関係者評価にて、園舎や遊具の安全管理を公表していなかったことが問題点として示されたため、両園とも業者の定期点検の結果を園の掲示板で掲示した。
はやし幼稚園について
・23名の保護者(保護者会の役員の方々)に協力していただき、アンケートを実施。
・【数量図形、文字などに興味が持てるような活動を取り入れていますか】について。
《出来ている》が15名、《どちらともいえない》が7名、《出来ていない》が1名の結果であった。近年は、年長のクラスだよりや園だよりで、日ごろの保育、子どもの遊びの中で、意図的な活動であることを発信してきたことが、保護者に伝わっているとの実感もある。
回答者の詳細を確認すると、《できていない》の回答者は年少の保護者であった。《どちらともいえない》の回答者7名中5名が年中の保護者である。
・2番目に《どちらともいえない》の回答が多かったのが、【園舎や遊具などが、安全な設備となっていますか】である。《出来ている》20名、《どちらともいえない》が3名であった。
厚木緑ヶ丘幼稚園よりも評価は若干高いが、両園とも同じ項目を指摘されていることを鑑み、重点改善項目として、今年度も継続する必要性がある。
4.総合的な評価結果
C
理由:5つの評価項目について重点的に取り組む予定であったが、令和1年度の3学期からの新型コロナウイルス感染症にまつわる様々な制約により、学園として、学校関係者評価への取り組みが後手に回ってしまった。どのような社会状況であっても、子ども達一人ひとりを大切にした質の高い教育を実践することには変わりない。非常事態が長引いた結果、課題も明確になった。
【評価 A…十分に成果があった B…成果があった C…少し成果があった D…成果がなかった】
5.今後取り組む課題
@「子育て支援」
もともとの子育て支援の拡充もさることながら、コロナ禍だからこそ孤立し支援が必要になる可能性も十分に加味し、より重点的に取り組む必要がある。
A「数量図形、文字などに興味が持てるような活動を実施しているか」
各学年相応、子ども個人の発達相応の活動を現在も行っているが、座学のように直接的でわかりやすい保育内容とは言えず、保育者の意図を保護者にはっきりと表明できていない部分がある。
幼児教育に対して、早期教育の有利性がイメージとして強すぎることも悪影響と考えられるが、今後は年少、年中についても保育内容の意図をどのように伝えていけるのかも課題である。
B「園舎や遊具などが安全な設備か」
園児のケガや事故、またヒヤリハットの報告を精査し、保護者にとっても安心安全な園とはどうあるべきか、再度見直す必要がある。
6.学校関係者評価委員会の評価
コロナ禍の中で、学園としてできうる限り、子ども達のための保育を実施してきたことについて、評価と感謝の言葉をいただいた。
今後も常に、状況に柔軟に対応していくこと、また社会環境を悲観するだけでなくこの大変な状況を乗り越える経験が糧となるように、学園の熱心な取り組みに期待をして頂いた。
【はやしのブログの最新記事】