
副園長 難波 忠弘
先日、子ども達が、園庭で元気に走り回っているとき、ふとしたことから喧嘩が始まりました。きっかけは些細なことでしたが、言い合いをしながら、お互い全く納得していない視線を向け、けん制し合う2人の様子が、私にはとても微笑ましく感じ、しばらく成り行きを見ていました。
今頃の幼稚園では日常茶飯事で起こる一場面ですが、「あ〜、これだけはオンラインではできないな。」と思いました。オンラインは切り取られた世界で、効率的です。だからこそビジネスでは合理的で生産性に繋がるように思います。まさにコロナ禍の社会生活には、必要なシステムでしょう。
しかし、やはり子どもにとっては「面と向かう」実体験が大切に違いないと強く感じました。しばらくして、さっきまで揉めていた2人はすっかり意気投合して仲良くキックバイクで走っていました。真剣に渡り合いながらも、自分たちでどうにか折り合いをつけたのでしょう。
行動や活動することそのものに面白さや目的を感じるのが子どもです。その子どもにとって、プロセスこそが重要であり、そこで自らが出合う物事や関わる環境などすべてが「学びの対象」になるのです。砂場での山づくりや、動物のえさやり当番、ままごとや積み木など、幼稚園にある「遊び」のすべてのプロセスに本物の学びがあるのではないでしょうか。結果や到達目標を追い求めるために、改善していく大人の仕事や作業とは全く違うことを、今更ながらに感じます。
そして、こんな素晴らしい子どもの世界をどうにか発信したい!保護者の皆様になんとか伝えたい!という思いから、園では様々な形で発信をしています。
まずは、この園便り、そして、クラスだより、他にも保護者の皆様向けに定期的に1日の園生活の様子を動画で発信したり、園外の方にもホームページのブログを通して幼稚園の生活をお伝えしています。
現在はコロナ禍により園との関わりが思うようにいかないことが多く、この状況もいつ良くなるのか、先が見えてはおりません。だからこそ、是非幼稚園からの発信に目を通して頂き、子ども達の生活に興味を持っていただきたいのです。特にクラスだよりは、お子様と園での生活をお話ししたり,振り返ったりできる、きっかけにもなります。日々の保育で担任が大切にしていることもお伝えしております。ぜひご家庭でもご活用ください。
また、これから連休に入りますが、子ども達も進級、入園して半月ほどたち、緊張も解け始めると同時に疲れも出てくる頃だと思います。入園当初は笑顔で登園していても、登園を渋ったり、園に来てもぐずったりする様子があるかもしれません。
園では、お子様一人ひとりの思いを受けとめ、丁寧にその状態をみていきたいと思っております。連休明けで少し後戻りした子ども達には、余り急がせずにじっくりと園生活のペースをつかんでいって欲しいと思います。その過程の中で、のびのびと遊び込み、気持ちが少しずつ解放されていくことで、自分の好きな遊びや、興味を惹かれる楽しい出来事と出合いながら、園生活を自分のものにしていくのだと思います。
保護者の皆様も、何か不安な事やご質問がございましたら遠慮なく園までご相談ください。尚、連休中はユーチューブやテレビなどに頼りすぎることなく、近所の自然を散策したり、簡単なお料理をしたりなど、【親子で楽しむ時間】をお過ごしください。
連休が明けると、通常保育も始まり、また、親子遠足も実施されます。心地よい季節の到来ですので、園庭での絵の具遊びや水や砂で遊ぶなど、たくさんの経験が待っていますので、お着替えをすることも増えるかもしれません。お子様がたくさん遊んだ証拠ですので、笑顔でお許し下さい。
最後に、今年度も若葉会の役員の選出において、快くお引き受け下さいました皆様に、心から感謝申し上げます。皆様と手を携えて、今年度も子ども達の園生活や保護者の皆様の活動が充実したものになる様にしていきたいと考えております。どうぞ宜しくお願い申し上げます。