
1月の中旬から下旬にかけて、気温の急降下に伴い「ここ10年で一番の寒気」というニュースが話題となりました。
そうした環境下でも、子ども達は園庭で見つけた氷で遊んだり、自分の吐く息が白いことに喜んで何度も試したり、「寒さ」を楽しむ「遊び」に変えて過ごしています。
子どもの様子をもっとよく見てみると、大人にとっては凍えるような寒さでも、臆することなく、外遊びへ向かいます。
砂場遊びをしたり、ドッジボールやサッカーなどのボール遊びや鬼ごっこ、縄跳び、アスレチックへとまっしぐらに取り掛かっています。
保育室内では、すごろくやカルタ、こま回しなどの伝承遊びが盛んです。
こま回しに至っては、こま回し用の土俵がコマの先端によって削れてしまい、土俵の木材が削れてしまうほど多くの子ども達がこま回しに夢中になっています。
学園の教育方針である「心豊かにたくましく」の名の通り、この寒空の下でも、遊びこむ力をつけた子ども達は、たくましく園生活を送っているのだと実感します。
また、3学期に入り、子ども達の遊びに深まりが見られるようになる中で、改めて子どもたちの遊びに向かう力=主体性・積極性や集中力が育ってきているのだなと感じます。
さて、先日は若葉会執行委員、厚生委員の方にお手伝い頂いたおもちつきを3年ぶりに行いました。
父親会議の皆様にも餅つき(当園では木の臼と杵を使い、掛け声に合わせて力強く餅をついていきます)を手伝って頂き、50キロ近くのもち米をついて皆でつきたての餅を美味しくいただきました。
今年は2歳児から年長までが、驚くほど沢山のお餅を食しました。
自ら研いだもち米をお餅にして食すという一連の流れは、食に対する興味を引き出す経験になったのではないでしょうか。
お手伝い頂いた役員の皆様には改めて感謝申し上げます。
また、このように、普段通りの園行事を行えることについては、保護者の皆様のご理解なしには行えないと感じます。
今後とも、世相や時代が変わっても、子ども達にとって大切な経験と学びの本質を損なうことなく保育活動を続けていきたいと考えておりますので、ご理解とご協力の程、宜しくお願い致します。
近頃、子育て関係のニュースをよく目にします。
子ども家庭庁ができ、その目玉として「異次元の少子化対策」という言葉が大々的に世間をにぎわせています。
一般的には給付金や、出産一時金など、ご家庭への直接的な支援を思い浮かべると思いますが、ここで幼稚園側の考えを少しお伝えします。
10年ほど前から待機児童問題が挙がってから、政府は保育所の規制緩和を大々的に行い、厚木市にも多くの保育施設ができました。
現在、待機児童問題は東京23区の中心部などごく一部だけとなり、「預かる施設」には余裕が生まれています。
そして、政府は保育の量から質への方向転換に移っています。
しかしながら、マスコミが挙げる質の向上は、私たち保育者にとってはどうしても首をかしげる問題が多いのです。
例えば、病児保育施設の増加や、預かり保育時間のさらなる延長などです。
これは、一見、便利なようですが、大人目線の「便利さ」なのです。
子どもの立場から考えるとどうでしょうか。
例えば、高熱にうなされ、身体が一番つらい時に幼い子どもが、安心できるお家で、大好きなお父さんお母さんに傍にいてほしいと願うことは自然なことです。
また、大人は働き方改革のもと、1日8時間労働が推奨されている一方、都心では、子どもは施設に12時間以上預けられていることも珍しくありません。
少子化対策・子育て支援は日本の未来をどう描くかに直結します。
この国で育っていく子ども達が、大人の都合で育てられるのではなく、一人ひとりの健やかな育ちを社会がしっかりと見守り、子ども自らが持っている「育つ力」をのびのびと発揮できるような支え方を考えなければならないと思います。
園と致しましても、子ども達の未来のために、行政との連携を軸に幼児教育の重要性と子どものいる家庭に対する働き方の提言などを社会に発信していきたいと思います。
さて、2月には生活展が開かれます。
今年もお子様の一年間の遊びや生活してきた足跡を主に造形表現したものや写真を通してご覧頂きます。
当日は、お越し頂く時間を園で指定させていただくことで、担任と作品を通してお話をする時間を作りましたので、お子様とゆっくりご覧頂きたいと思います。
副園長 難波 忠弘