2022年10月03日

令和4年10月のおたより

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 園長 難波 香織

 毎週末のように台風がやってくることで、災害への備えを強く意識させられる一方で、この地域では比較的被害も少なく、厚木は丹沢や大山が背後にそびえているから雲が流れて来ないのかな?などと不思議に感じているのは私だけでしょうか。


 けれど幼稚園は雑木林に囲まれているので、台風の被害を避けるために、今夏も植木屋さんに木々の状態を見て頂き、剪定をお願いしました。


  

 ここ最近、子ども達は強い日差しを避けるように、涼しいアスレチック広場へ集まってきます。木漏れ日の中、緑色のドングリ拾いを楽しんだり、新しくできたアスレチックに果敢に挑戦したり、どんぐりの森の坂道で鬼ごっこをして駆け回り遊んでいます。

最近では年長さんの真似をして、道のない坂を上ろうと頑張っている小さい子ども達の姿も見られます。


 泥んこになりながらもチャレンジを繰り返す姿を見ていると、もうすぐやってくる運動会という行事に向けて、子ども達の「やってみよう」と思う気持ちの芽生えが何より大切だと感じます。

私たちの運動会は、その取り組み方にこだわりがあるのですが、それは運動会が本番で完成形を「見せるためのもの」ではなく、子ども達が主体となってつくる過程を重視した運動会だということです。

運動会に向けて一人一人の気持ちや今の身体的特徴や運動機能の習熟度を丁寧に受け止め、何より意欲を大切に積み上げていくことに重点を置き、運動会が終わってからも、子ども達の思いや成長が繋がっていくものにしたいと考えております。

いわゆる保育者が主導で練習をさせる事はありませんので、このおたよりをお読み頂いている頃でも、幼稚園の生活は普段とあまり変わらず、子ども達は自分の好きな遊びややりたいことに向かって過ごしているのです。

夏休み明けの子ども達は、一回りも二回りも大きくなり幼稚園に帰ってきました。

夏休み中に身体いっぱいに蓄えたエネルギーを、幼稚園中の遊びの中で様々な形で表出している様子が伺えます。

それを見ても、まさに一年の中で、今こそが運動的な活動に出会う最適な時期かもしれません。自然に自分の体の中のパワーがみなぎり、その力を外へ出し切る爽快感を感じることが出来る運動的な遊びが、この時期に充分に提供できる園環境が大切だと思います。

あくまでもやらされるのではなく自分の選択肢の中で遊びとして出会うことが大切ですし、子ども達の成長過程の中で、自然に目が向き、やってみようと、思い立つ姿を認めていくことが、幼児期の「運動会」という行事に向けての相応しさであると考えます。

そうはいっても年長児たちにとっては、幼稚園生活最後の運動会、今まで見てきたこと経験してきたことを土台に「自分たちの運動会」という意識も育ってきました。

自分たちでお話を作り、振り付けや衣装を考え、皆に見てもらいたい気持ちで張り切って取り組んでいる表現の活動、一人ひとりが自分なりに、やることを決めていく「チャレンジ」、クラスで気持ち(バトン)を繋いでいくリレー、どの競技も自分で向き合い、自分なりに受け止め、仲間と支え合うことの楽しさや喜びに背中を押されて一歩を踏み出していく姿が、とても頼もしく輝いて見えます。

年長児たちのそんな成長の姿を受けて、それぞれの学年でこの運動会のねらいには違いがある事もお伝えしたいと思います。

年中児は、当日ルールを聞いて、今まで経験してきた運動的な動きを駆使しながら臨む競技や、年長児のリレーを見る等、今までの経験から「競うこと」の高揚感を感じ、集団で何かをやることの楽しさを存分に経験できるように保育を進めております。

年少児には、外で遊ぶ楽しさを知り、周りを見ることや、関心を持って聞いたり真似をしたり、身体を使う楽しさを十分に経験することをねらいにしております。

どの学年も、その成長過程を意識して取り組んでおりますが、もちろん、中々運動的なことや外で行う活動に気が向かない子ども達がいることも、個性の一つとして先生たちは受け止めております。


 運動会当日だけが、その子のすべてではありません。


 お子様の出来た出来ないを評価することなく、温かい声援を送って頂きたいと思います。

皆が広い空の下に集い、思い切り身体を動かす心地よさを、楽しかった思い出と共に蓄えてほしいと願っています。


 皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。



 月の後半は、皆で春に植えたサツマイモの収穫とおいもパーティー、ハイキングと季節を楽しむ行事が続きます。


 まだ健康管理への気遣いは続きますが、明るい兆しも見えてきたような気がします。


 若葉会主催のはやしマルシェで、大勢の保護者の皆様にご協力頂いたことで、集うことの楽しさも復活してきました。

思い切ってマルシェの企画をして下さった若葉会執行の皆様の行動力に感謝致します。

そして伸び伸びと育っていく子ども達の命の息吹がもっともっと大きく膨らむような2学期になっていく予感と可能性を感じます。


 本当にご協力ありがとうございました。

posted by 管理人 at 00:00| 園だより