五月晴れとは5月のさわやかな晴天のことを指すのが、今では一般的なようですが、実は旧暦の皐(さつき)は6月を指すそうで、どんよりした梅雨の合間にみられる晴天を表すそうです。
二四節気、七二候と細かく四季を表し日常の生活に役立ててきた我が国ならではの生活表現の豊かさには、なるほどと感心する一方で、だんだん先人の知恵や常識といわれてきたことが私たちの生活の中で変化し薄れているのかもしれません。
特に農業や水産など第一次産業には影響が大きい天候ですが、園生活においても、日頃から天気には、とても気を配り過ごしています。
子ども達にとって、お天気は心にも体にもとても影響するからです。
6月からしばらくは熱中症に対しての気配りが重要になるだけでなく,雨降りが続く中で、外に出られないことから、出し切れない子ども達のパワーをバランスよく発散させ、保育活動に興味を向けられるようにしようと、この季節ならではの園生活、保育内容の充実を図っていきたいと考えております。
そして保育室内にとどまりがちな子ども達の動線も考えながら環境設定を行っていきます。
テラスやホールも十分に活用しますが、子ども達の合羽(レインコート)、これが園生活でとても必要になる場面が出てまいります。
少しぐらいの雨であれば、みんなで合羽を着てのお散歩や、お当番活動などをすることで、子ども達にとっては、つまらなくなりがちな雨降りお天気が、一気に味方になり、「自然に触れる、自然と関わる」魅力的な体験になるからです。
様々な雨音を楽しんだり、園庭やアスレチック広場の水の流れを観察したり、そして延いては毎日使っている水の大切さなどへ子ども達の気付きから関心へと保育に生かせることは山ほどあるのです。
さて、親子遠足では、大勢の保護者の皆様と子ども達が心地よい緑に囲まれた荻野運動公園で、とても和やかに、のびのびと活動することが出来ました。
少し前まで集まることの難しさに怯えるばかりでしたが、政府のマスク着用に対する見解も丁度良いタイミングで出たこともあり、親子同志で触れ合いを楽しむことが出来たのが何よりでした。
今を乗り越える方法や工夫をすることで、改めて出来ることが見えてくるようになりました。
これから夏に向けて子ども達が心も体ものびのびと健康な生活を送れるようにするためにも、ウィズコロナ時代に向けて、様々ある制約を考え直し、新たな挑戦をする時期に来ているのかもしれません。
皆様のご参加、ご協力ありがとうございました。
ところで今月は、保育参観を予定しております。
日頃の園の様子をご覧頂くことになりますが、内容の詳細については後日お知らせいたします。
年少児をはじめ新入園の子ども達は、入園して2か月もたたないうちに、園生活の仕方を少しずつ身に着け、自分で楽しいことを見つけ始めています。
動画でご覧いただいたように、これからも全身で感触遊びを楽しむことが、ますます増えてくると思います。
その中でも砂や土や水は、子ども達にとって何よりの教材です。
砂場には、毎学期2トンほどの新しい砂を入れております、アスレチックの赤土も毎年、感触の良い滑らかな土を購入して入れています。
これらに水が加わることで形が変わり、遊びが広がります。
どれも、形として残らない物ではありますが、子ども達は自分の感覚を磨いてくれる変幻自在の砂や土と戯れ、遊び込むことで、物質が変化する面白さ、自分の手で造り上げる楽しさ,そこでたまたま出会った子ども同士で感じあえる「共感性」,この素材が持つ可塑性(作っては壊れる)が導いてくれる繰り返しの中で、工夫を凝らしていくめげない気持ち等を必ず獲得していくのです。
毎日お着替えを持ち帰り、お洗濯が大変なことになっているかもしれませんが、どうぞこんな経験は幼児期だからこそ、と受け止めて頂きたくお願い申し上げます。
園生活がすっかり自分のものになってきた年中児たちは、「つるんで遊ぶ、誘い合って遊ぶ」姿が多いにみられるようになってきました。
まだルールの共有も仲間意識も緩い中での遊びの姿ですが、「鬼決めじゃんけん」が楽しかったり、ままごとのシチュエーションをやけに複雑にしてみたりと、年中児らしい姿で他者と関わることを求め、その修行中という様子がほほえましくも見え、人間関係の難しさを実感している健気な様子も目に入ります。
いわゆる「けんかするほど仲が良い」という現状でしょうか。
年長児たちは園生活の達人への道はまだ遠く、年長児だからこそ課せられるお当番活動にも翻弄されている様子が見られます。
まだ遊びたい、今のタイミングではない、などグループの友だちとの意見の調整がつかない中、一人一人の違った思いが交錯し、もめていることが多く見られます。
この「もめごと」が毎日あらゆる場面で噴出するのですが、まさにこの時が、「学びの時」と考えております。
「せんせいどうするの?」「○○ちゃんがやった!」「ぼくはやってない!」そんな声があちこちから聞こえる中、
「どうしたらよかったのかなー?」
と答えをはぐらかすかのように「子どもからの問いに問いで返す」時間を大切に繰り返す日々です。
幼児期の子ども達にとって、特に仲間とのかかわりの中で生まれた疑問や問題は、答えを導き出していく過程が大切だと考えます。
園長 難波 香織