2022年01月31日

令和4年2月のおたより

はやし.jpg  

大きな地球、広い世界と学んできた私世代(テレビが身近にない世代)の人間にとっては、世界中で起きている出来事の、ほとんどを知ることなく、ましてや自分が実際に体験するなど想像もせず、何か大きな事件が起きても遠い世界の出来事としかとらえられないでいたのですが、私の古い感性を覆すように、災害が起きました。


まずは、瞬く間に世界中に蔓延した新型コロナウィルス感染症、次々と変異し、私たちの平穏な生活を脅かしています。更に、南太平洋の小さな島国トンガで起きた海中火山の大噴火は、太平洋を臨む国々に自然の猛威を大きな被害と共に見せつけ、世界中の人々に、地球の表面に住む人間のひ弱さを感じさせた出来事でした。


私たちの国も他人ごとではなく、地震等自然災害に見舞われることは多く、「備えあれば憂いなし」とことわざもありますので、コロナ対策や子どもがいることを前提にした災害への備えもご検討ください。


さて、先日は晴れた大空の下、ゴルフ場の美しい芝生の上を思い切り走り回って凧あげに興じた子ども達、引率するこちらのほうが、くたくたになるほど、ゴルフ場の端から端を何往復もして、空高く舞い上がる凧から風を感じているようでした。


そして今月は「生活展」がありますが、どの学年も子ども達の描画を中心に、一年間の園生活の様子をご覧いただく行事となります。

年間を通して幼稚園では子ども達の様々な表現活動を日常の保育や行事の中に取り入れてまいりました。


ところで、子どもにとって表現するということは、どういうことなのでしょうか。うれしければ思わず小躍りをして身体を弾ませる、楽しいと思わず鼻歌や好きな歌を口ずさむ、自分の思いを伝えたいときは大きな声になったり、手振りや身振りを添えたり、顔を真っ赤にして伝えようとする。どれも子ども達の生活の中で、自然に表される表現の姿です。


つまり、表現とは子どもにとって「今を生きていること」そのものといえるのではないでしょうか。

ところが、絵を描くということは、思わず身体が踊ったり歌ったりするような表現とは違い、そこに絵の具や筆という道具があり、それを使って画用紙に向かったときに、感じたことや伝えたいことを、一度自分の中に取り込んで、自分の心と頭を通って、能動的に表す行動といえるでしょう。


描画の活動は、衝動と理性のシーソーに乗っているようなものかもしれません。けれど幼児は、描くこと自体が楽しいから思わず手が出て、何枚も何枚もと筆を動かし、自分の思いのまま形にとらわれずに、画面を飛び出すように描くことのできる表出と表現の狭間にいるのですから、どの子もが楽しんで取り組めるようにと、担任は、絵の具の色や溶き方、描画を始める前の子ども達への導入などに、とても心を配り、丁寧に取り組んでいる保育活動の一つなのです。


そして子どもにとって表現する目的は、無条件に受け止めてもらうこと、といえるでしょう。出来栄えを評価するのではなく、そこに表したかった自分の思いを大好きなお家の方に受け止めてもらえる喜びを、子ども達には感じてもらいたいと考えております。


生活展では、担任がお子様の作品を前に園生活の様子などを、お伝えできる機会としたいと考えております。感染対策には十分に気を配り対応させていただきます。また今年度は皆様にお配りしていた冊子はありません。我が子だけでなく、クラスの子ども達の作品を通して、クラスや園生活の様子を受け止めて頂きたいとお願い申し上げます。


25日には年長児のズーラシアへの卒園遠足を予定しておりますが、年長さんたちと先生たち皆で幼稚園生活の集大成ともいえるこの活動に、じっくりと取り組んでいきたいと思います。


年長児たちは、自分たちで話し合い、一日の行程を決め、それを実行することで、大きな達成感と自信を感じることと思います。教育目標に掲げてあるように、自分で考え行動し、自分の考えを伝え合い、友達と力を合わせることのできるはやしっ子達の力を存分に発揮して、卒園遠足を充実したものにしたいと思います。


年少中児の子ども達は休園となりますが、きっと年長さん達が活動を進めている様子や帰ってきてからの姿にも、たくさんの良い影響をもらうことと思います。引き続き、お子様の健康管理を含め、保護者の皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

posted by 管理人 at 14:53| 園だより

2022年01月12日

令和4年1月のおたより

はやし.jpg


 新年あけましておめでとうございます。


 厳しい寒さの中、清廉な空気に包まれ、令和4年が明けました。

幼稚園は、4日からアイアイのお友達が元気な姿で登園し、静かだった幼稚園に活気が戻りつつありましたが、園児全員がそろうと、いよいよ令和3年度の締めくくり、3学期が始まります。どうぞ本年もよろしくお願い申し上げます。


 世の中を覆っている澱んだ空気が、今年こそは一新され、晴れた青空の下で、子ども達と一緒に、大きな笑い声を響かせられるような日々が戻ってほしいと願いつつ、新年のご挨拶とさせて頂きます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。


 さて、お正月休みを経た子ども達は、ごちそうを食べる機会も多く、その上幼稚園生活に比べて、身体を動かすことも減り、少し体が大きく、重くなって園にやってきます。また、生活時間が夜型になってしまったお子様も多いと思います。


 冬休み明けならではの様子ですが、明日からは園生活中心のリズムに戻しながら、子ども達には体内に蓄えたエネルギーを大いに発散してもらいたいと考えております、こま回しや凧揚げ、竹馬など杵柄(きねづか)が身につく遊びやサッカーやドッチボールなど、しばらくぶりの幼稚園で仲間遊びの楽しさを実感してほしいと思います。


 かるたやすごろくなどのお正月遊びも取り入れ、友達と少し複雑なルールを共有しながら楽しめるようになるのもこの時期ならではの姿です。まだルールが解らなかったり、決まりがあるからこそ楽しい、という概念が難しい場合もありますが、自分の気持ちに折り合いを付けながら楽しむ経験を、繰り返ししてほしいと思います。


 年長児たちはもうすぐ小学校への就学を控え、少しの不安もあるかもしれませんが、学校生活が楽しみに出来るように、学校につなげていけるような活動も取り入れていきたいと考えております。すでに、年長児は、各自の名前が印字されている名前カードや文字積み木を使っての、言葉遊びや言葉作りを楽しんできていますが、「文字」は、本来は自分の思いを伝えるためのものであり、残しておきたいことを記録するためのものとして、存在する道具(記号)ですから、その意味を子ども達に意識してもらいながら、文字との出会いを幼児教育に託された課題を踏まえ、丁寧に積み上げていきたいと考えております。


 数量の概念、図形や標識への関心の育成は、年少児の頃から日々の園生活やあらゆる遊びの中で、ふさわしい伝え方や考え方を、折あるごとに取り入れておりますが、どれも机上で教え込むのではなく、園生活の中で、環境から受ける子ども自らの気づきから身に着けていくものであると考え、様々な場面で、指導しておりますことも、改めてお伝えしたいと思います。


 園の環境としての絵本への取り組みは、30年以上にわたり力を入れてきたことです。毎週の絵本の貸し出しも我が園独自の方法ですが、この一年間でお子様がどんな絵本に触れ、どんな内容に興味があるのかを、お子様の絵本カードから、伺い知ることができるでしょう。お話を聞くには、自らの想像力を働かせなければ楽しいことにはなりません。この想像力、イメージする力が、思考する力へと繋がります。


 この段階には、文字が読めることは必要ありません、むしろ自分で「文字」を読むより、そこに記されている「言葉」の意味や文脈を理解出来ている大人に読んでもらい、じっくりと聞き入ることが、幼児期には大切です。幼稚園のお帰りの会で毎日読んでもらう絵本や借りて持ち帰る絵本をおうちの方に読んでもらう経験は、今しかできない、今だからこその経験となりますので、ご家庭でも時間を少し作っていただき、読んであげることを、楽しんでほしいと思います。聴いて、思考することが楽しめる力を伸ばしてあげましょう。


思考することが楽しめる子供たちは、廃材の工作でも、自分のイメージを形にしようとしますし、友達とのかかわりの中でイメージを共有しながら遊ぶこともできるようになっていきます。自分の中で感じたことや気づいたこと、見つけたことを大好きな人に教えたい、伝えたい、子どものこんな思いが表現活動の原点だと考えておりますが、来月には、一人ひとりの描画表現をご覧いただきますので、この機会に、はやし幼稚園の子ども主体の園生活を子ども達の作品から感じて頂きたいと思います。


今月早々には日本の伝統行事、お餅つきを致します。子ども達が自分たちで、もち米をといで、せいろで蒸かしたお餅をつく予定です。今年も子ども達と職員だけでやりますが、子どもが食べる餅は、衛生管理をし、少量ですが、別仕立てで準備を致します。


 寒さも本格的になってまいります。
 子どもは風の子、とはいえ、かぜをひきやすい時期でもありますので、園でも一層、安心安全な保育が出来るように、衛生管理、換気に気を配り、元気に過ごせるようにしていきたいと思います。
posted by 管理人 at 11:24| 園だより