2021年11月02日

令和3年11月のおたより

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朝晩の冷え込みが、秋を一気に通り過ぎたように厳しく感じる日もあり、幼稚園でも子ども達の体調管理に気を配ることが多くなりました。まだ、コロナウィルスへの警戒感もあり、今年度はいろいろな面で慎重にならざるを得ません。


そんな中、運動会の開催にあたっては、保護者の皆様のご協力に、心から感謝申し上げます。子ども達の笑顔が戸室小学校の校庭に満開の花のように広がった運動会、あの場に集った大人たちの温かく見守る思いが、子どもたちの安心感を生み,のびのびと自己発揮する原動力になったのではないでしょうか。


あれから子ども達は、まだ運動会の余韻の中で表現や運動遊び、チャレンジへ取り組む姿が見られます。はやし幼稚園の行事活動は、行事の終わりと共に、そのまま収束するものではありません。

子ども達の園生活の過程で、行事はいつも子どもの次の行動のきっかけとなるものです。次への期待をもって、子ども自身がステップアップさせていくのが、常なのです。

そんな子ども自身の「楽しいからもっとやりたい、難しいけれどがんばりたい」という気持ちから取り組む姿を子どもたち同士で、響かせながら伸びていく、運動会はそんな行事の一つです。


2学期の後半、まだ様々な行事が続きますが、まずは、11月初旬のりんりん祭です。今年もどんな世界を作ろうかと年長児と年中児たちが、自分たちの考えを出し合い、相談しながら作り上げていくでしょう。今年は年少さんたちも自然な流れの中で活動に加わっていきたいと考えてもおりますので、幼稚園中の子ども達皆が多いに関わり合える楽しいお祭りになることだと思います。


保護者の皆様をお招きすることはできませんが、お子様がお家でお話しすることを、じっくり聞いて、相談に乗っていただいたり、クラスのおたよりなどをご覧いただいたりし、子ども主体の活動としてどんなお祭りが出来ていくのかを、楽しみにして頂きたいと思います。若葉会主催のお楽しみ会では、今年もロバの音楽座の皆さんをお招きしてコンサートをして頂けることとなりました。ご協力ありがとうございます。


 最近は教職員研修もリモートということで、慣れないパソコンでの研修となっていますが、先日福島県、相馬市の小児科医として、「福島の子ども達を日本一元気にしたい!」という願いをもって東日本大震災後の子ども達の心身の健康調査研究をされておられる先生のお話を伺う機会がありました。

 子どもの健康調査ということで大変興味深い内容でした。特に震災後の福島の子ども達の生育環境の変化から見られる運動量の低下や全国的に見て高い比率の肥満との関係を示すデータから、実はコロナ禍の中で育つ日本中のこども達の生育環境の変化と相似している点を話されていました。外遊びをのびのびと出来なくなった生育環境が子ども達の心身の健やかな成長を阻んでいるということを、そのお話を通じて強く感じた次第です。

 ちなみに、未就学児の運動量の調査では1週間の平均歩数が、震災4年後の調査で、一日1万数千歩程度であったそうですが、保護者の皆さんが子供だった頃の30年前の調査では、幼児は一日2万5千歩から3万歩ほど歩いていたということです。

 福島の子ども達の調査研究から、身体と心の健康の問題、育つ社会の健康度の低下、一気に進む人口減少、少子化、災害などが子ども達に何をもたらすのか、ということを提起すると同時に、まさに今を生きる子ども達が抱える課題があらわになったのです。

 この研究結果の一つとして、福島のこどもたちの健やかな育ちを考えた末、室内でのびのびと遊べる施設を官民共同で作られました。年間30万人の利用があるそうですが、そこでは遊びの必要条件として3つの間を提供しているそうです。

 時間と空間と仲間、そして遊びを支えるプレイリーダーの存在だそうです。人間の成長過程で脳神経系が最も育つ幼児期には、のびのびと自分を出せる環境で、人や物、事と主体的に関わりながら遊ぶことがいかに大切か、ということを改めて確認できる研修となりました。
posted by 管理人 at 13:41| はやしのブログ