2021年09月29日

令和3年10月のおたより

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 ここにきて、緊急事態宣言が解除される見込みとなりました。


 2学期当初は、とても緊張を感じておりましたが、子どもたちの様子を見ていると、マスクの着用や気配りなど、その子なりに受け止めている様子が見られます。

 ご家庭でも、外出の機会を減らし、子ども達が外遊びをしないで済むようにと、絵本を用意したり、おもちゃやゲームなどで遊べるように買い与えたりと様々な工夫をされ、この期間を乗り越えられたのではないでしょうか。昨年よりも、さらに制限を課せられたことで、親も子も家の中で過ごすことに慣れてしまったかもしれません。


 子ども達にとって、本来だったら、心も体も解放され、のびのびと過ごせるはずの季節の中で、外の世界と関われなかったことは、子ども達の視野や、自然に対する興味や関心を狭めているように感じます。こればかりは、個人の努力ではどうしようもない状況がありましたので、子を持つ親の心情を考えると、やるせない思いがいたします。


 それと同時に、改めて園での子ども達の様子を見てみると、子どもとは、外の世界と関わることで、自分の世界を広げ、たくましく育つのだと、強く感じます。ただ外に出て歩くだけでも、車や人の行きかう様子など、目の前で起こる様々な事象に興味をひかれ、「なぜ、どうして」という疑問に出会うでしょう。


 自然の中であれば、きれいな草花に目を奪われ思わず手を伸ばしてみたり、鳥の鳴き声の違いに気づいたり、不思議な虫や生き物と出会う度に、「なんだろう」という好奇心のとりこになるはずです。この感覚には、与えられたおもちゃや一方的に目に入ってくる映像などでは味わえない感動、心が動く経験がついてくるのではないでしょうか。


 なぜならそこには、自分からの「はたらきかけ」があるからです。前にある人から、「はやし幼稚園の子ども達は、何にもない原っぱでも、飽きることなく遊ぶことが出来ますね。」と言われたことがありました。その時も、そして今も私が言えるのは、「はたらきかける心のある子なら、ただの原っぱでも、充分すぎるほど好奇心をくすぐる遊びがいっぱいあるはずです。」でしょうか。


 幼稚園には子ども達が自らはたらきかけたくなる環境がふんだんにあります。ぐるりと幼稚園を見渡すと、何をしてよいのか決められずに、傍観している子どもの姿は、ほとんど見られません。誰もが自分の決めた遊びに向かっている、頼もしい姿が見られます。


 あと10日程で運動会を迎えますが、まだこの行事に向けて、多くの子供たちの気持ちはむいているとは言えません。けれど、年中さんや年長さん達は園庭やアスレチックで、鬼ごっこや追いかけっこなどで、体を存分に動かして遊びこんでいる姿が多く見受けられますし、固定遊具の使い方やブランコの漕ぎ方も大胆になってきました。

 先生たちは、様々な場で遊んでいる子ども達と、ちょうどよい距離感で見守りつつ、やってみたい、出来て嬉しいという経験を少しずつ積み上げられるように、気持ちの面で支えながら丁寧に関わっています。


 そして、幼稚園中を自由に遊びまわる中で、自分の周りには、必ずクラスや年齢を超えた、様々な友達(他者)との関わりがあることを、どの子も日々実感しているのではないでしょうか。その場で、他者との気持ちのすれ違いやもどかしさ、他者と関わることで上手くいかない事を、たくさん味わいながら、自分はどうしたいのか、どうしたら良いかを考え、仲間と考え合いながら、人と関わる力を磨きながら、蓄えている過程だと思います。


 ところで、保護者の皆様にとって、運動会はお子様の運動することへの興味の持ち方や運動能力の習得の様子がご覧いただける行事であるとお考えだとは思いますが、この活動の根底には、広い大空の下で、みんなで体を動かすことの心地よさを、子どもたちに実感してもらおう、という幼稚園の思いがある事をお伝えしたいと思います。


 例年と同じペースで園生活を進めてくるのが難しかったから、という訳ではなく、群れて遊ぶ機会が制限されてきた今だからこそ、皆で大空の下に集い、皆でそのことを喜び楽しむ運動会にしたいと考えております。我が子の出来た出来ないを評価するのではなく、この集いを一緒に喜び楽しんでいただきたいのです。


 外の空気がおいしい、外に出ると気持ちよい、外で身体を思い切り動かして、汗をかくのは心地よい、という感覚を、幼児期の今だからこそ、心の芯に芽生えさせたいと考えます。今月終盤には、自分たちで育てたお芋ほりや、秋の野山で自然を感じながら、仲間と一緒にしっかり歩くハイキングなど、まだまだ楽しい行事が続きます。


 感染予防と健康管理に気を配りながら、ご家庭には、引き続きご協力をお願いし、子ども達の日常が、更に豊かな日々となるようにしていきたいと思っております。      








  

posted by 管理人 at 13:01| 園だより

2021年09月01日

令和3年9月のおたより

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 17日間にわたって熱戦が繰り広げられたオリンピックが8日に閉幕しました。日本選手の活躍が連日見られ、コロナ禍で外出もままならない夏休みの大きな楽しみと同時に、その姿から元気と勇気を貰えたように思います。


   結果も素晴らしかったのですが、今回の大会では出場した選手達が一様に、開催に向けての協力に感謝し、特に今病気と闘っている人や医療従事者の人々に、自分たちの姿を通して、少しでも元気を届けたい、といった発言をされていることが印象に残りました。


    困難な状況の中で自国開催が出来たことに、誇らしさと心の高揚を感じさせてもらいました。改めてオリンピックの開催は、本当に良かったと実感しています


   さらに、アスリートたちの競技の姿も、競争相手にもかかわらず、他の選手が出した記録やパフォーマンスに対し、選手同士が相手を称え会い、共に歓びあう姿や、今大会で採用された競技において、10代の若者たちが大活躍する姿からも、オリンピックの精神が他者を尊重し、更に自らを向上させる為にひたむきに努力をしてきた姿勢を祝福する機会であることを、再確認できたのではないでしょうか。


   さらに、一昨日の開会式から始まったパラリンピックも、13日間の熱戦がスタートします。

   オリンピック同様パラアスリート達が真摯に取り組む姿から、多くの感動と勇気を目の当たりにすることができるでしょう。


   そして、これからの日本社会、世界を築く礎となるであろう子どもたちにも、ぜひパラアスリートたちの活躍に関心を寄せてほしいと思います。ご家族でTVの視聴を通して目の前に本物のヒーローやヒロインがいることを伝えつつ、これから私たちが目指す共生社会について、話題にしていただけるとよいのではないでしょうか。


 さて、2学期の生活が始まるこの時期に、改めて私たちが十分に気を付けなければならないのは、コロナウイルスのデルタ株の感染拡大状況です。このウイルスはこれまでと違って、感染力が大変強く、さらにこれまであまり見られなかった子どもへの感染も出てきていることから、最大限の注意が必要と考えております。


   そこで、すでに連絡メールでお知らせした通り、当分の間、園児のマスク着用をお願いいたします。それ以外については、教育委員会の今後の対応を参考にしながら、園としての方針を改めてお知らせしますので、その折には、特段のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。


   もちろん園の基本的な姿勢としては、従来通り、子ども達の主体性が発揮できる園生活を基軸に考えております。それを実現させるためにも、幼稚園生活においても、初心に帰って感染予防を徹底していきたいと考えております。


   コロナを極端に恐れることはありませんが、従来から大切といわれている身の回りの消毒を始め、他者に移さないためのマスク等のエチケットを継続して実践することが大切です。治療方法の研究やワクチン接種も進んでいますので、もうしばらくは、この事態を乗り越えられるように、皆さんで頑張りましょう!


 さて、多くの制限がある中での夏休みでしたが、それぞれのご家庭では、いろいろな工夫をしながら、夏休みを楽しまれたのではないでしょうか。そんな子ども達の体験を共に歓び合いながら、2学期の園生活がスムーズに始められるようにしていきたいと思います。


   また、夏休み中、家の中で過ごすことが多かったことも予想できますので、子ども達の体調には、十分配慮しながら、少しずつ運動的な活動を取り入れていき、運動機能全般の向上を図っていきたいと考えております。

   ここで大切なことは、何かが出来ることだけではなく、先ずは、身体を動かすことや運動することが楽しいと感じることが大切で、その上で、個々の意欲や要求に応じた活動を、提供したいと思います。


   幼児期といわれる数年間は、一生のうちで運動全般にわたる基本的な動きが身に付き、身体を動かす遊びを通して、多様な動きを獲得する時期でもありますので、園環境を生かしながら、一日一日を大切に過ごしていきたいと考えております。


 幼稚園で十分に遊び、楽しんだ子ども達の中に、もしかすると、将来オリンピックを目指すような子どもが出てくるかもしれません。これは素敵な夢ですが、究極は好きだからこそ続けられるし、頑張れるのでしょう。その好きなことを、自分で見つけられることが、大切だと思います。



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posted by 管理人 at 13:43| 園だより