
春の花々が次々と咲き、新緑が目に優しく映る季節がやって参りました。
お子様のご入園、ご進級おめでとうございます。いよいよ令和3年度のスタートです。喜びと期待をいっぱい積んだ幼稚園列車が、始発駅で待ち構えている子ども達を乗せて走り始めます。
昨年の1月から社会を暗く覆った新型コロナウィルス感染症は、私達大人の価値観や生活を大きく変え、子ども達の日常にも変化は及んでいます。
思い起こすと10年前に日本中が震撼とした東日本大震災、その後に起きた未曾有の自然災害の数々、どれもその地域に住まう人々にとって、非常につらい出来事であったことは、忘れも致しません。けれど、その試練を、一山二山と乗り越えて来た今、私達の社会は、又もや、大きな試練の山に直面することとなりました、今度は世界中の人々がその渦中に投げ出されたウィルスとの戦いです。この試練は、まだ当分、終わりを見ることは出来ないでしょう。
そう思うと、大人はつい暗い方向へ思いが傾きそうになるのですが、未来を生きる子ども達は負けません。いつも前向きに恐れずに進んでいく勇気を持って、柔軟な思考力を発揮しながら、社会の暗い影を乗り越えていく本能があるのではないでしょうか。きっと私達大人が笑顔を取り戻せるように、子ども達の存在が喜びを運んで来てくれるでしょう。
そんな未来に希望と夢を託すことの出来る子ども達の健やかな成長を、社会全体で守り、支えていかなければならないと、心から思います。その為に、子どもらしく伸び伸びとした生活を取り戻してあげたいと、痛切に感じています。
さて、幼児教育は環境の教育です。子ども達の出会う環境としての幼稚園は、どのお子様にとっても、お家の次に「安心して過ごせる場」となるようにしなければなりません。その為にも、私達教職員は、常に穏やかに、丁寧な関わりを心掛け、お子様との信頼関係を一日でも早く築けるようにして参りたいと思います。
特に1学期は、新しい環境に戸惑ったり、不安を感じたりするお子様もいるかもしれません。少しずつ「幼稚園が楽しい、先生やお友達と遊びたい」と思えるように、楽しげで安心できる環境を整えながら、どの子もが、自分らしくありのままの姿を出せるように受け入れていきたいと考えております。その為にも、幼稚園とご家庭との連携はとても大切なこととなりますので、どんな些細なことでも、お子様のことで、ご心配がお有りでしたら、遠慮なく担任にお声かけ頂きたいと思います。
最後に今年度も保護者の皆様には若葉会の役員活動を始め幼稚園の教育活動へのご支援、ご協力をお願い申し上げます。また、園独自の「新しい生活様式」を今後も取り入れますので、お子様だけでなくご家族の皆様の健康管理へのご協力は元より、安全な登園、降園への配慮など、お子様が元気いっぱいに、充実した幼稚園生活が送れますように、幼稚園と保護者の皆様が手を携えて見守っていけますことを願っております。
保護者の皆様にとっては、お子様の幼稚園生活は、此れからの長い子育てのほんの一時期かもしれません。しかしひとりの人間として一番大切な土台が育つという幼児期です。この幼稚園での生活や経験が、お子様が大きくはばたこうとする力をためる為の一助となる様に、教職員一同で力を合わせ、日々の保育に力を尽くしていきたいと存じます。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
この「月のお便り」では、各学年の「保育のねらい」や行事の補足事項も掲載しますのでよくお読み頂き、はやし幼稚園の保育への理解を深めて頂けると幸いです。