2025年05月02日

令和7年5月のおたより

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4月も終盤にさしかかり、5月を迎えようとする子どもたちの様子を見てみると、新入園の子ども達は登園してからお帰りをするまでの一連の生活の流れにだいぶ慣れてきたと感じます。

今週から1号認定の子ども達も昼食が始まったので、全員揃っての初めての給食の時間はどのような雰囲気になるのかな?と楽しみにしていましたが、私たちが想像していたよりも子どもたちの姿は落ち着いていました。

やはりお腹が減ると食べる事に夢中になるのだなと改めて感じます。


園庭に目を移すと、砂場で砂山をつくったり、おままごとをしたりと、年中や年長の子ども達に混ざって、新入園児達の姿もちらほらとみられます。


アスレチック広場では、ヤギやヒツジに落ち葉や野菜の端切れをあげていたり、坂を駆け下りたり、駆け上ったりする大きい子ども達の姿を横目に見ながら慎重に階段の手すりにつかまり降りる姿もみられます。


幼稚園という環境の中で、一人一人が自分なりに居場所を探索し、興味を持ったモノやヒトと関わろうとする好奇心が芽生える様子が見えます。

この一人一人の姿を温かく受け止め、心の動きや、やってみたいと一歩を踏み出す時間を支えていきたいと思います。


さて、突然ですが【はじめの100か月の育ちビジョン】という言葉を聞いたことはありますでしょうか。

これは、全ての子どもの育ちを社会全体で支えていくために、こども家庭庁を中心に、閣議決定された政府の指針です。

100か月という期間は、お母さんが我が子を身ごもってから、小学校1年生までの期間で、その期間は長い人生において、人格の基盤を築き、人生を幸せな状態(ウェルビーイング)に保ち続けられるために最も重要な育ちを獲得できる期間と定義されています(参照:こども家庭庁HP)

そして、このプランは、はやし幼稚園で大切にしている子どもの姿と同じようなことが述べられているのですが、それが「安心と挑戦の循環」です。

子どもは不安なときに、身近なおとな(保育者)に寄り添ってもらう経験を繰り返す中で「アタッチメント(愛着)」が形成されていきます。

この「アタッチメント」を土台に、様々な人や環境と関わる中で、こどもは豊かな「遊びと体験」を通して、自分の世界を広げていきます。

新入園のお子様にとって、この4月はまだ慣れない時期であり、お母さんお父さんを求めて離れられないことも多くありました。

そこで保育者が一人ひとりを温かく包み、受け止め、丁寧に関わることで、こどもが少しずつ「この人は安心できる人だ」と認識できるようになると、だんだん他のことに興味関心を向けられるようになっていきます。



これがまさに「安心と挑戦の循環」です。

この「安心と挑戦の循環」を繰り返すことが、乳幼児の成長においてとても大切なのです。


家庭生活では仕事や家事がとどまることなく永遠と続くかのような日々の中で、

子どもの思いに寄り添い、自発的な行動を待つことは、中々難しいこともあるかと思います。

しかし、はやし幼稚園は違います。

子どもが自発的に始めたことをまず大事にし、その姿を肯定的に受け止めます。

保育者が子どもとのそんな関わりを重ねることから、子ども達の中に「もっとやりたい」という意思が生まれます。

子どもが考えたことを受け止めて、生かす生活を展開する中で、子ども達は生き生きと遊びや生活に取り組んでいきます。

そんな「やりたい!」と思う環境づくりを先生たちは日々試行錯誤しながら構成し、提供をしています。

こんな日々の保育の様子を、クラス担任は、クラスだよりで発信をしていますが、保護者の皆様もクラスで起きている子ども達のわくわく感を楽しみにして頂きたいと思います。


さて、先週行った身体測定、クラス懇談会には、保護者の皆さまにご協力頂き、滞りなく行うことが出来ました。

ご協力ありがとうございました。

その折、新年度の若葉会役員にご協力頂き、心よりお礼を申し上げます。

懇談会では、どのクラスもとても和やかに行うことができました。

この流れで親子遠足も、保護者の皆様と一層、親睦が深まるようになればと考えております。

この行事を契機に、保護者の皆さまと園がしっかり連携し、子ども達の園生活がより充実したものになる様にしていきたいと存じます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

文責 副園長 難波 忠弘
posted by 管理人 at 12:45| 園だより

2025年04月17日

令和7年4月のおたより

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季節外れの冷たい雨と北風の中で迎えた4月、ここ数日でやっと温かくなりました。


春の花々が一斉に咲き、鳥たちはにぎやかにさえずっています。


そして、子ども達がのびのびと遊ぶ姿には、新しい年度を迎える期待と喜びが満ちています。



お子様のご入園、ご進級おめでとうございます。


私達保育者は、季節に関係なく一年中天候を気にかけます。

幼い子ども達との生活は、その日のお天気次第で活動内容や衣服の着脱、水分補給にもきめ細かく対応し、子ども一人ひとりの健康状態に気を配ることから始まります。

またコロナウィルスの騒動から、様々な衛生管理の取り組みをしておりますが、

過度な消毒や殺菌が、実は子ども達の健康にとっては、あまり良い事ではないとの検証も出ていますので、そこはバランスよく自然物にも触れ、土や砂、生き物との関わりも遊びに取り入れながら、子ども達の健やかな成長を今年度もしっかりと支えていきたいと考えております。


宮沢賢治の詩ではありませんが、暑さ寒さや雨、風、雑菌(?)にも負けない丈夫な身体を作りたいですね。


さて、新年度を迎えるにあたって各学年の先生達は準備と打ち合わせに忙しくしておりますが、子ども達が勢ぞろいする日を教職員皆で心待ちにしているなかで、ぜひともご家庭に協力を頂きたい事がございます。


それは、幼児期というとても短く、身体の土台をつくる時、幼児に相応しい生活時間と食への関心を高めて頂きたいという事です。

これから体内時計を確立していく子ども達だからこそ、成長を促すのみならず、思春期以降の精神の安定にまで大きく影響することが脳科学の研究でも示されている基本の一つが、睡眠の質です。

まず、3歳のお誕生日を過ぎた頃からは、お昼寝はあまり必要ないということ、

そして夜は少しでも早く寝かせることが大切だと言われています。

8時前にはお布団に入り11時間続けて睡眠をとることが成長ホルモンを最も潤滑に出し、更に幸せホルモンといわれるセロトニンやオキシトシンなどを生成する健康な脳が育つといわれています。(11時間は難しいご家庭は、せめて10時間にチャレンジを!)

そうすることで6時に目覚めて朝陽を浴びる生活が始まります。

早起きをすればお腹もすいて朝ごはんがすすむはずですし、

日中の園生活で、陽を浴びて外気に触れ、身体と頭脳の全てを使って遊びこむことが出来れば、夜間の安定した睡眠へと子ども達をいざないます。


お仕事の都合等で、長めの午睡を希望されるかもしれませんが、園としては、午睡時間は個別、適宜に対応し、お子様の健やかな脳の成長を一番に考えたいと思っています。

預かり保育を利用されていないご家庭でも、お家でお昼寝をさせすぎることで、910時まで起きていないか、寝る前にゲームやYouTube等を子どもの求めるままに見せていないか(映像は良質な睡眠の妨げです。絵本などにしましょう)、

朝ご飯のバランスや生活の仕方を幼児に合わせているか等をこの機会にご検討いただきたいとお願い致します。


コロナ禍以降、子ども達の健康が生活の仕方、遊び方に至るまで崩されてしまいました。


ここで健やかな成長を一人でも多くの子ども達が手に入れる為に、保護者の皆様と一緒に早寝早起き朝ご飯を子ども達の「当たり前なこと」にしたいと考えております。


朝食を食べていないと、血糖値が下がり判断力や思考力が落ち、怪我やトラブルにも繋がります。

子どもの生活は午前中が大切です。

ご家庭の協力をどうぞ宜しくお願い申し上げます。



お子様はもとより保護者の皆様も新しい生活にご心配は尽きない事と思います。

子ども達も新しい環境に戸惑いや不安が心に渦巻くことでしょう。

一日でも早く、どの子もが安心して園生活を送れるように、教職員が皆で連携を図り、丁寧に保育をしてまいります。


何か少しでもご心配なことがおありでしたら、遠慮なくお声掛け下さい。


これからはお父さんお母さんという立場と共に、園に我が子を託す保護者という立場が始まります。

保護者と教職員で構成する若葉会活動を中心に、保護者有志のサークル活動も盛んです。

勿論父親同士が語り合い活動を創っていく父親会議もあります。


私達の園は保護者と保育者が手を携えて創る大きな輪の真ん中で、子ども達が響きあい育ちあう姿を見守り育てていく場です。

そして子ども達から表出する思いや考えや言葉を大切にする教育、保育を創るこども園です。


今年度も子ども達の主体的な遊びを中心に据え対話を重ねる幼児教育を進めていきたいと考えておりますので、保護者の皆様のご協力、お力添えを賜れますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

文責 園長 難波香織
posted by 管理人 at 12:49| 園だより

2025年03月03日

令和7年3月のおたより

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昨年の今頃、すっかり散っていた梅の花。


今年は3月を迎える今になっても朝晩の冷気のせいか、まだ蕾がほころび始めたばかりです。

それでも陽だまりにいると、日差しがやけに強いので、きっと一気に花が咲くでしょう。


私達保育者は、外にいることが多い職業柄か、四季の移り変わりには人一倍敏感です。

気候変動という現象が子ども達の生活に、すぐに大きな影響があるとは思いませんが、自然の中で様々な動植物と共存する小さな人間として、子ども達が「見る、聞く、触れる」好奇心を十分に発揮させながら、自然界の一員としての能力と価値観が育まれるような教育を意識していきたいと強く感じます。



さて令和6年度、最終月を迎えることとなりました。

どの学年の子ども達も成長の節目を迎え、一人ひとりまたは集団としても一年前の様相ではありません。


満3歳、年少児たちは生活面だけでなく、言葉でのやり取りや遊び方の勢いが違います。

どんなに寒い日でも、ほとんどの子ども達が外遊びに興じます。

開放的で魅力的な遊びと体の中に湧き上がる好奇心が子ども達を園庭やアスレチックの林に誘います。

今までは個であった遊び方が、声を掛け合い、誘い合って鬼ごっこや自転車乗り、砂場遊び、どれもみな誰かと一緒です。

泥団子づくりではまだまだ腕前は未熟ですが、少し上手になった年中児たちに混ざり、南側通路の木の根やアスレチック広場の坂に座り込んで土をこね、小さな手のひらの中で丸めていく姿はまるで職人のようで、遊び込んでいく心の動きにも成長を感じます。


年中児たちは友達との関わりが盛んになるほど遊びが多様に変化する様子が見られます。

ネイル屋さん、お茶屋さんなど個性的なごっこ遊びから、

先日はグリーンセンターへ本当のお買い物に出掛けるなど、個々の興味や関心の芽が広がり伸びていき、その関心の向く先にある「もの、ひと、こと」との出会いに対し、期待で胸がいっぱいです。

けれど、まだまだそれぞれの思いや考えがばらばらで、主張をぶつけ合うだけになることも多い、そんな年中児たちも何か共通の目的を持つことで、気持ちの行き違いがあったとしても、自分の思いに折り合いをつけられる様子もあり、最近では話し合いの場面の中でも相手の思いを聞こうとする姿も見られるようになってきました。

人と人が揉まれ合うことで、人間力(感じる、考える)が育つ、年中児達の成長の姿から読み取れます。


間もなく巣立ちを迎える年長児達、

はやしっ子としての集大成ともいえる卒園遠足をやり遂げていく過程で、子ども達は、揉まれ合いから、物事を自分達で調整していく力が付きました。

年少中児の頃から子ども達は先生やクラスの仲間、遊びの中で偶然出会った学年やクラスに関係なく集った仲間との揉め事や相談事もたくさん経験してきました。

そんな時、気持ちを納められず言い争いや時には手が出ることも有ったかもしれません。

けれど、「何のために話し合いをするのか?」という事を理解すると、問題を解決していく過程には、必ず自分とは違う考えや感じ方がある、という事を実感し学ぶことができました。

「人は様々みんな違う、でも一緒に考え合う知恵を持つことで、共に手を携えて進むことが出来るはず」

という事を知り、経験を積み上げてきた年長児達、私はこの子ども達が創ってきた集団の姿を信じたいと思います。

これからも、一人ひとりがのびのびと大きく羽ばたいて、そこで出会う多様な関わりの中で自分らしさをもっともっと磨いてほしいと心から願っております。



また、R7年度より厚木市は教育委員会を中心に、年長児から小学校1年生への架け橋期の重要性を見据えた取り組みを始めることになりました。

このスタートカリキュラムの導入によって、子ども達の主体的な学びへの成長(非認知能力)は幼児期の育ちが重要であるという事を多くの学校教育の現場で認識して頂けることに期待をしております。

そして自園の教育の質を高めるためにも、小学校以降の教育との相互理解と連携を進めたいと考えております。



今年度も若葉会委員、各サークル、父親会議、そして学園の教育へのご理解とご支援を下さった皆様に心から感謝申し上げます。

温かいお力添え誠にありがとうございました。

そして、令和7年度も、教職員一同、保護者の皆様と手を携えながら力を尽くしてまいります。

これからもご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。 


文責 園長 難波 香織

posted by 管理人 at 00:00| 園だより